釣り場に来てみると、長めのロッドで大遠投している人を見かけたことはあるでしょうか。
しかも忙しそうにロッドでアクションしながらリールを巻いています。おそらくその釣り人は、ジギングをやっている釣り人です。
ジギングは幅広い魚種が釣れる釣りで、主なターゲットはブリやサワラなどの青物、ヒラメやマゴチなどの底ものまで釣れます、
釣りを始めて日が浅い人にとってジギングは、少し近づきにくいを感じませんか。
釣り業界でもその雰囲気は感じていたのか、最近は釣り初心者でも始めやすいライトジギングやSLJというジャンルが生み出されているようです。
この釣り方が...今アツいのです。
<目次>
- そもそもジギングとは?
- どのジギングが自分に合っているか見極めよう
- ジギングで釣れる魚種
- ショアジギング(岸、陸、岡、海岸)で使用する基本的な仕掛け
- ジギングで使いたいアクション
- ジギングは誰でも簡単に始められる釣り
そもそもジギングとは?
ジギングとは、ジグという疑似餌を使った釣りのことです。
例えばエギを使うエギングのように、釣りでは疑似餌の名称に「~ング」をつけて、その釣り方を指すこともあります。
ジギングもその一つで、ジグと呼ばれる最小5g~最大300gほどの細長い鉄の板を使う釣り方です。
お気づきのように一言にジギングと言っても、使うジグの重さにかなり幅があります。
その重さによって、ジギング、ライトジギング、SLJ(スーパーライトジギング)といった釣りに分けられ、主にショア(岸、陸、岡、海岸)で行うのはライトジギングとSLJで、ライトショアジギングやスーパーライトショアジギング(SLSJ)と言われたりもします。
ジギングのジグの範囲と水深
ジギングと言うと、大きく二つの意味に取られることがあります。
一つ目は釣りジャンルとしての「ジギング」。これは先述したような内容です。
二つ目はジギングの中でも「重たいジグを使ってボートで沖に出るジギング」です。ここでは後者の意味で説明します。
ジギングで扱うジグは、近海であるならば大体100g~300gくらいが一般的です。
ジグの重さが重いほど、当然フォールスピード(海を落ちていく速度)は速くなり、早く底にたどり着きます。
つまり重いジグを使うということは、それだけ水深の深い場所を攻める釣り方で、状況にもよりますが50m~100mがジギングの範囲です。
ライトジギングの範囲と水深
先述したように、取り扱うジグの重さはさまざまで、ライトジギングでは60g~100g程度のジグを使います。
ジギングの第一歩または本格的にジギングに入るのであれば、ライトジギングがちょうど良いです。
というのも、100gを超えるような重いジグを扱うのは、非常に疲れるから。慣れない人がやると、1時間もしないうちにバテます。
ライトジギングならば、ジギング特有のぶっ飛ばせる気持ち良さは感じつつ、アクションによる疲労はたまりにくいです。
狙う水深は30m~50m程度で、釣る対象によって水深を上層・中層・下層に分けてアクションします。
沖に出るジギングでは、海を縦に切る(下から上に巻き上げる過程で釣る)ですが、ライトジギングは、海を横に切る(沖から手前に巻き上げる過程で釣る)釣りに変化します。
SLJ(スーパーライトジギング)の範囲と水深
今大注目されているのがSLJ(スーパーライトジギング)です。
使うジグは60g以下のかなり軽いジグで、中型~大型の青物や底ものを狙うジギング・ライトジギングに比べ対象魚が小さいです(とは言っても中型や大物も混ざります)。
ロッドにおいてもジギング専用のショアジグロッドだけでなく、エギングロッド、または5gのジグならばメバリングロッドも使用できます。
水深は1~30m程度が対象範囲で、一番浅い水深をターゲットとした釣り方です。
比較的最近開発されているジギングの分野で、より軽さを重視した釣り方なので、女性や子どもでも参入しやすい釣りとして注目されています。
やはり家族連れやカップルで釣りとなると、力のいるジギングは敬遠されがちですが、SLJだとその心配がないため需要があるようです。
どのジギングが自分に合っているか見極めよう
重さやターゲット、釣り場や釣り方が違うため、ジギングにおいては自分の好きな釣り方や釣果を見極める必要があります。
えらくゴツいセットもあれば、それに比べるとえらく軽いセットもあり、ジギングを知らない方にとっては手がつけにくいですよね。
基本的には対象魚や自身の体力が基準になります。
ジギング~ライトジギングは体力アリの人に向いている
ジギング~ライトジギングは、比較的重たいジグを使うため、力や体力のある方に向いています。
何といってもさまざまな釣りジャンルの中でも、重くて長いロッドを扱うためです。
そして餌釣りに比べると、ロッドアクションが大切なので常にしゃくしゃくして腕を振り続けなければなりません。
スポーツをやってきた30代男性が、3時間休憩なしでやるとなかなか疲れます。
また「ルアー釣りはなかなか釣れないけど、釣れるとデカい」と言われるように、対象魚も釣り人以上にパワフルであることが多いです。
それがジギングの魅力ですが、10分格闘することもあるので、体力はあった方が良いでしょう。
SLJは初心者・女性・引きを楽しみたい釣り人向け
ライトジギングに比べより軽い仕掛けを使うSLJは、圧倒的にジギング初心者や女性向けの釣り方です。
ジグ60g程度となるとこれは少し重いですが、20g程度ならば難なく釣りを続けられます。
最近は20gよりももっと軽い、1gのマイクロジグというものも開発されており、これだと子どもでも余裕でロッドアクションができます。
さまざまな人に受け入れやすい釣りがSLJであり、ジギングのとっつきやすいさにおいてはダントツです。
また、あえて感度が良くパワーがないロッドとリールを使うことで、小型の青物の引きを存分に楽しむ釣り人もいます。
船酔いが心配な方や初心者はまずはショアジギングから
上記のSLJとも同じですが、初心者や女性の方で、船でオフショア(沖)に出て釣りをすることに抵抗がある方は、
まずはショアジギングで、SLJから始められるのがおすすめです。
ショアジギングについては以下の記事で始め方を紹介していますので、やってみたいという方はご覧ください。
【初心者でもこれだけわかればOK!】ショアジギングとは? ショアジギングの始め方・おすすめタックルを紹介
ジギングで釣れる魚種
ジギングで釣れる魚種は、脂の乗りやすい魚や高級魚が多いです。
つまりお土産として喜ばれる魚種が釣れる釣り、だということです。
ライトジギング~ジギングで釣れる魚種
ライトジギングとジギングは、対象魚が似ています。
- 青物(ブリ・サワラ・カンパチ・ヒラマサなど)
- 底もの(ヒラメ・マゴチ)
- シーバス
- タイ
ジギングは釣れる魚種が多く、そして寿司ネタとしても聞いたことがある魚が多いです。
寿司ネタ=一般的にも上手い、ということ。つまりジギングは、最高のお土産ができる釣り方になります。
しかも青物やシーバスは、引きが非常に強く、魚とのファイトもエキサイティングです。
よく釣り系の動画を見ていても、「これは~かな?」というように、魚の引きで魚種を言い当てる方がいますよね。
タイは「ゴンッゴンッと叩く」、シーバスは「エラ洗い」、青物は「首を振る」、ジギングはこれらすべてが楽しめ、実力がつくほど引き方で魚種が分かります。
大きなジグを使うジギングほど、釣れる魚は大型になり、ライトジギングはその中型が対象魚です(もちろんライトジギングで大型が釣れることもあります)。
SLJで釣れる魚種
SLJはジギングやライトジギングと、大きく対象魚が変わります。
- 青物(ブリの幼魚など)
- イサキ
- アジ
- サバ
- 根魚(メバル・カサゴ)
- シーバス(セイゴクラス)
- 外道たち(ベラ・フグ・エソ)
- 他多数
当初SLJはイサキクラスのサイズ(40cm前後)をターゲットとした釣り方でしたが、現在はさらにライト化が図られ、ファミリーフィッシングの対象魚や比較的釣れやすい魚種も含まれます。
アジやサバという小型の青物、根魚やシーバスはうれしいですが、外道はちょっと...(外道枠の魚でも美味しいです)。
というくらいSLJは、まさかという魚も釣れます。また、ジグの大きさによっても魚種が変わり、釣りの範囲が幅広いです。
もちろんSLJをやっていて、ブリの幼魚などが釣れることもあります。
ジグは日中というイメージがありますが、近年では夜に使えるものも開発されており、メバリングにも使用可能です。
メバリングのルアーとしても、SLJで使うジグを選択肢に入れておきましょう。
メバリングのやり方は以下の記事でも紹介していますので、ご覧になってみてください。
【初心者向け】メバリングのやり方解説!ナイトメバル・デイメバル(昼・夜)別の釣り方やおすすめタックル(ロッド・リール・ルアー等)を紹介
ショアジギング(岸、陸、岡、海岸)で使用する基本的な仕掛け
ショアジギだと、主にライトジギングとSLJが挙げられます(もちろんオフショアのライトジギングやSLJもあります)。
初心者が始めやすいこの二種類で使用される基本的な仕掛けを紹介します。
ライトジギングの仕掛け
ライトジギングといえど、初心者にとっては少しヘビーな仕掛けです。
- ロッド:7ft前後
- リール:スピニングリール3000~4000番台
- ライン:PE1~2号
- リーダー:フロロカーボン4~6号
ジギングでは遠投が重要ですが、重いジグを使おうとするほどロッドやリールは大型になり、腕や手首に負担がかかります。
初心者は比較的軽めのジグと仕掛けを使う方が良いでしょう。
また、リーダーは最低でもロッドの3分の2以上の長さは取ってください。
それよりも短い場合、不思議とアタリが少なくなります。また、長すぎる場合リーダーとPEの結び目がガイドに干渉するようになります。
釣果を得つつ、扱いやすい長さを見つけましょう。
SLJの仕掛け
SLJはジギングの中でも軽いジグを扱うので、ロッドもその分軽量にできます。
- ロッド:6~6.3ft
- リール:1500~3000番台前後
- ライン:PE0.6号~1号
- リーダー:フロロカーボン1~3号
比較的短めで、軽い仕掛けがSLJに向いています。
イサキや小型の青物、シーバスを狙うならこの仕掛けの中でも大きめのものを、アジやメバルなどの小型を狙うなら小さめのものを使用してください。
小型を狙う上でのロッドは、メバリングロッドやアジングロッドでも代用できるので、先端の感度が良いものを選びましょう。
ジギングで使いたいアクション
ミノーやワームを使う場合はただ巻きでも良いですが、ジグを使う場合ただ巻きだけでは釣果にたどり着けません。
とは言っても難しいものではないので、釣りの引き出しを増やすためにいくつかアクションを覚えておきましょう。
ワンピッチジャーク
ワンピッチジャークは、ジギングで使用する一番基本的なアクションです。
- キャスト後任意の水深まで沈める
- ベールを返す
- ロッドをジャーク(素早く10度から60度くらいまで上げる)
- ジャークと同時にリールを半巻き
- ロッドを下ろしながらリールをもう半巻き
- ある程度2~4を繰り返すと、またフォールさせる
ジャークの程度としては、1秒に2回程度を基準に、その日の海の状況に合わせてスピードを変えます。
大体ジャークした直後か、フォールしている間に魚が当たってきます。
このアクションは、水深を縦に切るおでさまざまな層を狙うことができ、どの層に魚がいるか探るアクションです。
リフト&フォール
正直なところ、ワンピッチジャークで疲れる人は疲れます。力がない方はとくに疲れるでしょう。
そんな方でもおすすめのアクションがリフト&フォールです。
基本的に底を意識したアクションで、ロッドを10度から80度くらいまで「ぐーーっ」と引き上げて、竿先を元に戻すだけ。
上げる動作が「リフト」、下げる動作が「フォール」です。
ジグの中には、フォールで不規則な運動をするものや素早くフォールするものがあり、状況によって使い分けます。
初心者ならばアピール力が強く見切られにくい、不規則なフォールをするジグが良いでしょう。
フォールしている時に魚がアタります。
ジギングは誰でも簡単に始められる釣り
以前のジギングは力のある釣り好きの男性が沖に出て釣る釣り方、というものが一般的なイメージでしたが、現在は女性や子どもでも始めやすい釣りになっています。
青物や底もの、根魚など、対象魚が豊富で高級魚もたくさん釣れるジギングが現在非常にアツい視線を向けられており、とくにSLJは絶賛開発中の釣りです。
餌釣りに比べて仕掛けがシンプルであることも、人気が出ている理由です。
1万5千円あれば、しっかりとした道具を揃えられます。青物の首振りやタイのツッコミをその手で感じてみませんか。